UE4らしい絵について

UE4らしい絵のおはなし

この記事はUnreal Engine 4 (UE4) Advent Calendar 2015 23日目の記事です。
去年に引き続きテクスチャ関連の話にしようかと思っていましたが、内容は変更しました。

最近、知名度があがりオンオフライン、時間場所を問わずその名を聞くことが増えたUnrealEngine4。
国内での有名タイトルに採用される実績が増え、また医療建築映像などゲーム業界以外にも導入される事例がでてきたためでしょう。
急速に名前が広がった影響でゲーム制作関連以外の人にもその名を覚えられたようで、アンリアルと言えばほぼどこでも通じるようになりました。

だがここでひとつ問題が。

先日、超有名な国内RPGタイトルがリメイクとなる発表があり、開発にUE4が採用されることも併せて告知されました。
UE4に触ってる自分としては興味があったので、普段はあまり見ないゲームハード系のサイトにて情報を集めようと開いてみたときのこと。
記事につけられたコメントを見てみると、やはり一般のプレイヤー達にもUE4のことは知られているようです。
だけどそこはやはり素人のようで、UE3と一緒くたにしているもの(ほぼ別物と言うくらい進化しています)から明らかに別のものと勘違いしていると思われるもの(「UE4はスプラトゥーンには対応していないみたいだよ」と謎発言してる人がいました)まであり正確に実情を把握している人はまだ少ないようです。
ちなみにここで言っても意味ないですが今年発売されたバットマンアーカムナイトはUE3製です。映像クオリティとゲームの規模が凄まじかったのでUE4と勘違いしている人がかなり多かったです。

ただしかしそこで気になるコメントを発見。

ff7remake
「アンリアルエンジンを使うと金属や水関連が妙にテッカテカだったり光系のエフェクトが過剰になる傾向がある気がする。」

おおう。。。
言われて改めて確認すると似たようなコメントがいくつもありました。
主なものを抜粋してみます。

・アンリアルたまに同人くさい部分があってそこだけ嫌いだわ。光のテカリとか

・UE4か…なんかテカテカしてると思ったらどうりで…

・UE4のテカテカしてるのはデフォのライティングで調整かけりゃ直るんだよね?

・アンリアルエンジンってテカテカするってマジ?

・処理すればテカテカしないけど、うまく使えない会社だといつもテカテカのままで出すからUEエンジンはテカテカしがちだよ

・ティファがテカテカしてるとえっちぃな オラわくわくすっぞ

 

一般層にもUE4の名が知れ渡ったことはいいことだと思いますが、どうやらUE4でレンダリングされたグラフィックが絵として似たような傾向になることも広まったようです。
これは確かに事実で、UE4に普段から触っている人なら実機画面を見ればUE4で制作されているかどうか大抵判別つきます。
つまりUE4の出力する絵は個性がかなり強いということですね。
これは功罪相半ばする部分で、良い意味でいえば特徴がある、方向性に沿って作ればある程度クオリティーは確保できる等があります。
しかし悪い部分もあり、ゲーム性と合わない可能性がある、他のゲームと同じような絵になる可能性があるということですね。
ただしこの悪い部分は「安易に作れば」の話。
最初のコメントある通り、「作り方と節度でどうとでもなる」部分でもあります。
このレスをした人はそこまでわかっていたようですね。ティファがどうとか書いてた人は多分わかってないと思いますが。
ではUE4の絵の個性とは主にどの部分を指すのか、素人から見てもUE4製だと知っていると安っぽく見えてしまう部分とはどこなのか。
考えてみました。そして改めてUE4のマテリアルに関して情報を収集し、もんしょさんのブログを見て、実際にポリゴンの女性キャラクターの服を濡れさせたりやっぱり面倒なのでとっぱらったりしたりして検討してみました。
そして改めて上記のコメントを羅列して検討してみると気になるワードが。

→「テカテカ」

tekari
めっちゃテカテカすっぞ。

では改めて、UE4のテカテカに関して。
実のところ、自分はあまりUE4のテカテカは嫌いではありません。嫌いではないというか好きだし、いや愛してるしもっとやれ派です。
実際、初めて作ったゲームとも映像とも呼べないようなものは激しくテカテカしていました。
テカテカ通り越してギラギラしていました。画面中いたるところが。
もうデータ消してしまったので確認はできませんが、OculusRiftでVRで見たら何か目が痛くなったのを覚えています。今やっとその正体がわかりました。
少し脱線しましたが、ではUE4における「テカテカ」とはどのような経緯で発生するものなのか。
ここはUE4のマテリアル上から探ってみます。

PBRについて

PBRとは物理ベースレンダリング、つまり現実と同じアプローチで物質の質感を表現する技術です。
正確に言うと現実と全く同じではありませんが、実際の数式と同じ計算を行うことでそれらしい見た目を再現します。
このうちUE4の「テカテカ」に関係してそうな項目は「メタルネス」「スペキュラ」「ラフネス」です。
以下簡単にまとめました。

【メタリック】金属・非金属。金属の場合は100%反射する。非金属の場合は一律4%の反射とディフューズで陰影がつく。
【スペキュラ】鏡面反射性。反射する部分の面積を指定する。UE4では基本的にデフォルト0.5の値を使用する。
【ラフネス】粗さ。値が高いと反射が粗く、低いと綺麗に反射する。

フム。
自分はまだまだ勉強中の為、解釈が正しいのかよくわかっていませんが、要するに反射の強さ・正確さを上記項目で指定するようです。
ではテカテカというのがどういう状態かというと、

物質が金属であり(メタルネスが高い)
光沢が強いもの(ラフネスが低い)に光があたって強く反射している状態ということになります。(メタルネスはデフォルト)
ただ鏡のように反射してることがテカりの原因ではなく、反射が強すぎてハイライトがトんでいるというのがその正体のようです。
このハイライトが強くでるというのがUE4のレンダラの特徴みたいですね。

ではテカテカをどう回避すればいいか。
このあたり、自分でも研究中ですがいくつか対応策を検討してみました。

・ラフネスをあげる。ハイライトは暗くなりますが、全体的な質感も変わってしまいます。
・金属性のものでもメタルネスを下げる。物理法則的には嘘をつくことになります。また完全には白とびを抑えられません。
・ポストプロセスで露出を下げる。白とびを抑えられるが、ボリューム全体に適用される為他のオブジェクトとの調整が難しい。
・ライトの数を減らす。光源が減れば当然ハイライトも減りますが、シーン全体に影響します。

ここまで書きましたが、正直自分にも明確な解決策はわかっていません。
地道にマテリアル内ラフネスあたりを重点的に調整するのが今のところ確実そうです。
特に「フレネル」を上手く使えばハイライトは調整できそうでしたが、今回は間に合いませんでしたので引き続き調査を進めたいと思います。
個人的な感覚でいえば、下手にいじってUE4の個性を減らすよりも、UE4の特徴を活かした画作りのほうが健全のような気もします。

そもそもの話。
光とは印象的なもので、画面上に適度に飾れば絵として魅力はかなり上がります。
UE4のテカテカの見栄えが良くない場合、画面上でそもそも光っているもの、光っている量が多すぎるという場合があると思います。
ゲームもひとつの美術作品と考えるとなら、そのあたりのレイアウトバランスも検討する必要がありでしょう。
光るという現象は数字でいくと加算であり、情報量が増えるため目を引く一方画面に多すぎると雑然とした印象を与えます。
明るい部分と暗い部分のバランス、一定に光るのではなくコントランスを整える、タイムラインで光量を変更するなど工夫は必要になるかと思います。
そのあたりは自分もまだ探り探りなので、正しい解はでてきそうにないです。
情報量のサンプルでいうと、UE4の「Reflections」。
これはゲームのワールド内いたるところが水で濡れており、火花や水滴などもありUE4で安易に作ると絵として情報過多になりそうな部分を上手く工夫して抑えています。
マテリアル設定で質感を統一、ポストプロセスの色調補正でも全体のトーン調整を行い、強い光源はあまり直接置かずにステージに間接的に回りこむ・広がる形にするなどして整理しています。フロアはほぼ水たまりで反射が強くでていますが、画面が暗い分映えていますね。
ここまでやるとレベルデザインなどその分野の話も入ってきますが、このデモはその辺りも含めてとても参考になります。

tekateka
reflections

でもこれらはあくまで画面内のオブジェクトの話で、UE4のエフェクト・パーティクルに関してはもう好きにやってしまっていいと思います。
それはもう光ってなんぼ、インパクトだしてなんぼなので。もうテッカテカのギラギラで全然良し。
動きやテンポにメリハリがあればやりすぎくらいでいいと思うし、プレイヤーも喜んでくれると思います。
そういうわけでこれからもUE4でワクワクテカテカしていきましょう。
以上です。ありがとうございました。

明日は@donbutsu17 さんによる「UMGを使ったUIの実装+」です。

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